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田中貢太郎『日本怪談実話』の中から数話をとりあげて、特に江戸怪談と比較しながら読み進めた。
たとえば、「夫婦の変死」は、百物語の館の朗読「鬼女の噂」（元は天保期の瓦版）と細部が酷似した話である。
両者の比較から、幕末から明治期における上方で、不実な夫に死して復讐を果たす女の話があったことを想定した。
また、「遁げて往く人魂」は、『曾呂理物語』（1663年刊）巻一の二「女の妄念迷ひ歩く事」などと類似した話である。
その他、田中貢太郎の収集した「実話怪談」に認められる江戸怪談にルーツを持つ話を検証し、討議した。
報告者：門脇大
会場：四条蛇庵 16:00より